住宅ローンの基礎知識

住宅ローンの利用を検討されている方に最低限押さえていただきたい、住宅ローンのポイントをご説明いたします。

借入額と返済期間の考え方

借入額

一般的に「年収の5倍+頭金」が、無理なく返済できる借入額だとされています。
これ以上の借入額になると、将来的に赤字家計に転落してしまう恐れがありますのでご注意ください。
ただし、これもあくまでも目安なので、借りる人の家族構成や職業(会社員・自営業など)などによってローンの返済可能額は異なりますので過信は禁物です。
また、「住宅購入資金」と合わせて「人生の3大支出」と言われる「教育資金」や「老後資金」も考慮して借入額を考えましょう。

銀行などの金融機関では、審査時に、住宅ローンを借りる人の返済比率(年収に占める年間返済額の割合のこと)を試算して融資の合否を判断します。
※「返済比率」は「返済負担率」とも呼ばれます。

返済比率(%)=年間返済額÷税込み年収×100

金融機関の審査基準の目安は、返済比率30%~35%程度です。

返済期間

返済期間は定年の65歳までとするのが一般的です。
定年後は老後資金が必要なうえ、収入が減るので、住宅ローンの返済期限を定年後までに設定しておく必要があります。
そのため、無理のない返済期間の計算式は次のようになります。

無理のない返済期間=65才‐ローン借入時の年齢

住宅購入時には現金も必要

不動産の購入には頭金や諸費用が必要です。
これらの費用につきましては、現金で支払う必要がありますので、貯蓄などの資産が全くない場合は不動産の購入は難しくなります。

  • 頭金

住宅ローンの総返済額は借り入れ元金に付く利息額によって変わります。
この利息を決めるベースとなるのが「金利」、「借入額」、「返済期間」の3要素です。
したがって頭金を多く用意すれば、その分、借入額が減るので総返済総額も抑えられます。
しかし、不動産を購入する同時期に大きな出費となるライフイベント(結婚や出産、子供の進学)などが控えている場合は無理に多額の頭金を入れずに手元に現金を残している方が良い場合もあります。

  • 諸費用

不動産の購入には、物件代金のほか、仲介手数料や印紙税、登記費用などの諸費用がかかります。
(※詳しくは「購入にかかる諸費用・手数料」をご参照ください。)

金利の種類

住宅ローンの金利には主に変動金利と固定金利と固定金利選択型の3種類があります。
それぞれに特徴、長所・短所がありますので、ご自身にあったタイプの金利を選択しましょう。
※詳しくは「住宅ローンの金利比較」をご参照ください。

住宅ローンの返済方式

住宅ローンの返済方式には元利均等返済方式、元金均等返済方式の2種類があります。

  • 元利均等返済方式:毎回の「返済額」が同じ額になる返済方法
  • 元金均等返済方式:毎回支払う「元金」部分が均等になる返済方法
元利均等返済方式 元金均等返済方式
メリット •返済額(元金+利息)が変らないため、返済計画が立てやすい。
•元金均等返済に比べて、返済開始当初の返済額を少なくすることができる。
 •元金の減少が早いため、同じ借入期間の場合、元利均等返済よりも総返済額は少ない。
•返済額(元金+利息)は返済が進むにつれ少なくなっていく。
デメリット •元金の減り方が元金均等方式に比べて遅いため、同じ借入期間の場合、元金均等返済よりも総返済額が多くなる。 •返済開始当初の返済額が高いため、当初の返済負担が重い。

※元金均等返済方式の取扱いのない金融機関もあります。

民間ローンとフラット35の特徴比較

フラット35(住宅金融支援機構)  民間ローン
使用目的 マイホーム購入・リフォーム マイホーム購入・リフォーム
金利タイプ 全期間固定金利型 変動金利型 固定期間選択型
保証人 不要 信用保証会社の保証が必要
融資対象物件 ・一戸建て:70㎡以上
・マンション:30㎡以上
各金融機関の基準規定あり
ローンの借り換え 対応あり 対応あり
事務手数料 借り入れ金額の一定割合
(融資額の1.08%~2.16%)
大手都市銀行:一律31,500円

ネット銀行:5万円~融資額の2.1%

保証料 無料 大手都市銀行:金利0.2-0.3%上乗せ(内枠方式)or
借入額の約2%(外枠方式)ネット銀行:0円
団体信用生命保険 加入必須 加入必須
火災保険 加入必須 加入必須
繰り上げ返済手数料 0円(繰上返済額100万円以上) 0円~数万円
(繰り上げ返済額1円から可能の金融機関もあり)

住宅ローンの見直し

住宅ローンの返済中、定期的に「借り換え」や「繰り上げ返済」、「金利プランの変更」をすることで、総返済額を少なくできる場合があります。
但し、借り換え時には融資事務手数料、繰り上げ返済時には繰り上げ返済手数料などの諸費用が必要となるので、その点もふまえて検討してみましょう。

①借り換えによる見直し

借り換えの見直しのポイントは、やはり支払う「金利」が低くなる事が前提で行われます。現在借りている金利が高いため、より低い金利の住宅ローンに借り換えをする方法が一般的ではないでしょうか。

②金利プランの変更による見直し

家計状況や経済情勢に応じて「変動金利」から「固定金利」へ、「固定金利」から「変動金利」へと金利プランを見直します。

③繰り上げ返済による見直し

フラット35では、繰り上げ返済額の下限が100万円以上からとなっていますが、民間のローンであれば、1円以上から繰り上げ返済できる銀行があります。
繰り上げ返済を積極的に行い、総返済額や返済期間の短縮を目指しましょう。

【繰り上げ返済の種類】

  • 期間短縮型:毎月の返済額は変えず、返済期間を短くする方法
  • 返済額軽減型:返済期間を変えず、毎月の返済額を減額する方法

期間短縮タイプの方が、返済額軽減タイプに比べて利息軽減効果が高く、総返済額をより多く減らすことができるので効果大です。

【繰り上げ返済のタイミング】
まとまった金額を貯めて一気に繰り上げ返済するよりも、少額ずつでも、できる限り早く返済することで利息分の減少幅は大きくなります。
繰り上げ返済手数料と利息削減効果を試算しながら、前向きに繰り上げ返済を行うのがポイントです。

住宅ローン減税制度(ローン控除)

住宅ローン減税制度では、個人が住宅ローンを借入れて住宅不動産を取得する場合に、毎年末の住宅ローン残高、あるいは、住宅不動産の取得対価のうち、いずれか少ない方の金額の「1%」が10年間にわたり所得税の額より控除される制度です。
所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除されます。
※平成26年4月1日~平成33年12月31日までに自己の居住の用に供した場合で、かつ決められた要件を満たす必要があります。

【適用要件】

居住年 平成26年4月1日から平成33年12月31日まで
控除期間  10年間
控除率 1.0%
年末借入残高上限  (一般の住宅)4,000万円
(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅)5,000万円
入居 平成33年12月31日までの入居
床面積(登記簿)  50㎡以上
(マンションの場合は、専有部分の床面積)で、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供されること
中古住宅の場合の築年数または耐震性能など 家屋が次のいずれかに該当すること
A. 築年数は20年以内。マンションなどの耐火建築物の建物の場合には、その取得の日以前25年以内に建築されたものであること。

B. 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準またはこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅
新耐震基準適合住宅。(既存住宅売買貸保険加入の中古住宅含む)

C. 要耐震改修住宅で申請などを行って居住の用に供する日までに耐震改修工事を完了し、耐震基準適合性が証明されたもの。

その年の合計所得 3,000万円以下
入居時期 取得、増改築後6ヶ月以内。入居後引き続き住んでいること
再入居・再適用   住宅ローン控除の適用者が転勤などで住まなくなった後、再入居した場合、残存期間住宅ローン控除の再適用が受けられる。
①やむ得ない転勤などの理由で居住の用に供しなくなった場合
②その理由が解消して再入居した場合
③再入居年に賃貸していた場合はその翌年から再適用となる
他の特例との関係 控除を受ける年の前後2年間、合計5年間に前の自宅で3,000万円特別控除や買い替え特例を使用していないこと
借入先金融機関 次の金融機関などからの償還期間10年以上の借入金であること
銀行、信託金庫、信用組合、農協、住宅金融支援機構、途方公共団体、各種公務員共済組合、勤務先(年利0.2%以上のもの)

住宅ローン控除を受けるためには、確定申告が必要です。マイホームを購入した翌年3月15日までに住民票や登記簿謄本などの必要書類をそろえて税務署へ提出します。

住宅ローンの一括審査とは?

住宅ローンの利用を検討されている方で、複数の銀行で住宅ローンの審査を受けてみたいという場合、インターネット上の一括審査が便利です。
一括審査は、一度必要な情報を入力するだけで、複数の金融機関の仮審査を受けることができます。

住宅ローンの一括審査サービスについてのメリット、デメリットをしっかり理解したうえで、ご活用をご検討ください。

住宅本舗(住宅ローン一括仮審査申し込みサービス):
https://www.jutapon.com/general/ikkatsu.html?prom_code=csbaw00001

一括審査のメリット

  • 面倒な申込手続きを1度で済ますことができる
  • 複数の金融機関で住宅ローンの仮審査を申込む場合、個人情報などの必要な内容を何度も記入・入力したうえで、金融機関毎に必要書類を提出する必要があります。
    しかし、一括審査の場合、それらの手間暇が省けるので利便性が高いです。

  • 複数の金融機関をネット上で同時に比べることができる
  • 一括審査による仮審査ならネット上で金利やその他諸費用等の内容を簡単に比較できるので自分に合った有利な金融機関候補を見つけることが出来ます。

  • 金融機関に出向く手間や時間が省ける
  • 通常、金融機関で住宅ローンの仮審査を行う場合は、銀行の営業時間内(平日9時~15時)に必要な書類を揃えて銀行へ出向く必要がありますが、一括審査ならその時間・手間が大幅に省けます。

  • 地方銀行からも選択できる
  • 一括審査では、ネット銀行をはじめ、大手都市銀行のほかに地方銀行も一括見積サービスに参加しているため、金融機関の選択肢が多いのも特徴です。

    一括審査のデメリット

  • 審査が必ず通るとは限らない
  • 基本的にネット銀行の審査は厳しめと言われております。
    よって、一括審査で仮審査を申し込んでも、希望する金融機関で必ず融資を受けられるとは限りません。

  • 金利が必ず安くなるとは限らない
  • 一般的には一括審査の金利の方が通常の金融機関での審査した場合に比べて安いようですが、融資条件によっては、一括審査以外の方法で住宅ローンの融資を行った場合の方が、安くなる場合もあるようですので注意が必要です。

  • 直接銀行の担当者と話し合うことができない
  • ネット上の一括審査ではプロの意見を直接聞くことができません。
    銀行の窓口担当者から住宅ローンについて聞いたり、質問したりしたいという方には少し不向きかもしれません。

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